第三回レクチャー「白井と書―そのかたち」のご報告
2009年2月8日、第三回レクチャーが行われました。
■テーマ
「白井と書―そのかたち」
■講師
太田穂攝(書家)
■タイムテーブル
15:00-16:00 太田先生によるレクチャー(司会:真鍋怜子)
16:00-16:30 休憩、作品鑑賞
16:30-17:00 質疑応答、太田先生による揮毫
当日の様子(中央左奥が書家の太田先生、右奥が司会の真鍋怜子)
太田先生はまず最初に、一般的「書」の鑑賞の仕方について話されました。また、白井晟一という作家に対する印象を、ご自身の体験から語られました。
次に、白井幼少時の黄檗山萬福寺における体験や、顔真卿の「多宝塔碑」や白隠慧鶴の書などといった白井の学んだ古典が、白井の書にどのような影響を与えたのかを、「臨書」という書特有の経験行為から解説されました。
太田先生が実際に臨書を行いながらの解説で、分かりやすく、かつ迫力のあるものでした。
休憩時間には、白井晟一の書の実作品を鑑賞し、その後、参加者による質疑応答が行われました。文人の書と書家の書の違い、そしてプロとアマの問題など、示唆的な質問が出、充実した質疑応答となりました。
最後には太田先生による揮毫を行っていただきました。
私は「書」についてほとんど専門知識がありませんでしたが、このレクチャーを通じて、「歴史を学ぶ意味」、あるいは「揺らぐことのない伝統」といった、「書」だけでなくあらゆる芸術に通ずるものを学ぶことができました。
第三回も、非常に実り多い会となりました。関係者の方々に御礼申し上げます。